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新宿武蔵野館でルキノ・ヴィスコンティの「 揺れる大地 」を。

シチリア島の小さな漁村で撮られた作品。

浜辺で帆布や投網を補修する漁師たちや、荒海へ漁にでた夫や兄弟の帰りを待ちわび
岩場に立つ黒衣の女たち…。
すべて土地に住む人々で、その面だちや顔付、姿、生活の風景に心ひかれます。

シチリアへ行ったのは随分前…と、指折りかぞえてみれば21年前で、
あの時はローマの中央駅から夜行列車に長くゆられて、何時間位掛かったかな…。

クシェット( couchette )と称ばれる二等簡易寝台車は、座席客車が夜には
左右3段ずつの寝台車になるのですが、シチリア行きの路線は陸路を南下して、
港から車輛ごと船に乗りこみ海を渡ってふたたび陸路を走り、
朝方、終着地パレルモの街に到着するのです。
夜中に聴いた汽笛の音を、おぼえています。

古い日記帖には、市場で買った40センチもある大きなパンが1500Lit(リラ)
(約 100円)だったこと、葉ごと刻んだセロリや他の香草類をオリーヴオイルと
ヴィネガーであえた白インゲン豆のサラダがおいしかったことなど、他愛ない物事が
書き記されているのですが、目でみたものではなく、陽光や、北とはちがう言葉のひびき、
排気ガスの匂いのような、形ないものが、時を経てもふと、よぎることがあります。

なにより、最終日の暑さは、忘れられない。
海の向こうからきた湿った熱風。
アフリカ大陸から吹くシロッコという、風の記憶。






 -「 La terra trema: episodio del mare 」 1948
                         Luchino Visconti

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2017/2/12 11:00 com(0)
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