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>>たいていの瓷器(しき)は、ひなどりの膠(にかわ)と
糯米(もちごめ)の糊(のり)をまぜ合せたものをつけたうえ
縛って陰干しにすれば、強く接着される。
※瓷器(しき):土器より堅い焼き物。
磁器成立以前の原始的なものをさすことが多い。
定窯(ていよう)の器皿が破損したときは、楮(こうぞ)の樹液を
もちいるべきである。樹液を濃く塗って、つよく縛ったうえで
陰干しすると、再びはなれることがない。
※定窯(ていよう):唐後期以来,河北省曲陽県澗磁村で
おもに白磁を焼いた名窯。
官窯青磁(かんようせいじ)の破損には、ひなどりの膠(にかわ)と
青竹を焼いてとった灰アクとを混ぜて塗り、つよく縛ったうえ
湯で煮沸する。とりだしてのち三日〜五日間放置しておいて
解くと堅牢につながり、あたかも疵(きず)のないように
接着される。
しかし、ここに述べたいろいろな方法以外に、
本格的な修理の方法が、昔から中国に伝わっていた。
それは「鋸碗(チュイワン)」あるいは「鋸碗的(チュイワンダ)」
とよばれた修理人たちがおこなった鎹(かすがい)をつかう
なおしである。
天秤棒の両端に道具箱をつるし、小さな銅鑼をつけて
歩くたびに音をさせながら、街から街をながして
やきものの修理をしたもので、破片の接着部の両側に
手廻し式の弓型ロクロと銅針で穴をあけ、
熱した鎹(かすがい)を打ち込み、鎹(かすがい)が
冷却して収縮すると、破片がしっかりと固定される
しくみであった。
鎹(かすがい)は鉄、銅、真鍮などで作られていた。
「骨董勉強ノオト」繭山康彦著より
2019/3/10
23:24
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